車椅子やベビーカーにエレベーターを譲る理由
私はいわゆる健常者で、大きな怪我をしたこともなく、今までエレベーターを優先してもらう立場になったことがなかった。
そんな私はエレベーターを譲るべき相手がいることはもちろん理解していたし、それなりな回数譲ったこともあったはずだが、なぜ譲るべきか深く考えたことはなかった。
「混んでるなら次乗ればいいでしょ」くらいのことは思ってた。
そんな私も母になり、エレベーターを必要とする立場を3年くらいやっている。
母子でベビーカー移動している時と子がベビーカーで眠っている時はエレベーターがないと縦方向の移動はできない。
恥ずかしながら、私は当事者になるまで、なぜ譲るべきかきちんと理解していなかったと気づいた。同じような人がいるかもしれないので、例を挙げて説明してみようと思う。
10階建の商業ビルを想像してほしい。マルイでも大丸でも高島屋でもなんでもいい。とりあえず縦に長い建物だ。
大概の場合、最上階はレストランだろう。
時刻は12時。
あなたは4階にいる。上の階に移動したいと思い、エレベーターを待っているとしよう。
ボタンを押して待っていれば、そのうちエレベーターは来るだろう。
エレベーターがやってきてドアが開く。いっぱいだ。
まぁここまでは普通の人でも想像できる。
もう1回ボタンを押して待つ。
エレベーターがやってきてドアが開く。またいっぱいだ。
そう、今はお昼時。大勢の人が1-2階から10階に移動しているので、どのエレベーターもいっぱい、途中下車する人もあまりいないのだ。
健常者は1-2回見送ったら、諦めてエスカレーターを使うだろう。しかし、車椅子やベビーカーはそうはいかない。
ここで一度、1階から乗っている健常者の立場で考えてみよう。健常者だとしても10階までは遠いのでエレベーターに乗りたい。4階でドアが開いたとして、ここで途中下車してもよい…とは普通ならない。
そう、途中階からの移動は難易度が高いのだ。当事者になってよく分かったが、待っていても乗れないことが想像以上に多い。
これを読んでくれた人、途中階でエレベーターが開いて、目の前に車椅子やベビーカーがいたら、是非譲ってあげて欲しい。
その人は何台もエレベーターを見送ってるかもしれない…